― 定期演奏会の記録 ―
指揮者・共演者の紹介(※指揮者/共演者の写真・プロフィールは演奏会当時のものです)
指揮 黒岩 英臣
1942年生まれ。1960年桐朋学園大学入学。故齋藤秀雄氏に師事。1964年同大学弦楽オーケストラのアメリカ公演に指揮者として同行。1965年同大学卒業後に修道士となり1975年まで修道生活を送る。その間、神学・哲学・ラテン語・グレゴリオ聖歌・ポリフォニーを学び、典礼音楽の指揮、作曲を行った。1976年より再び音楽に専念し、1977年1月、都響ファミリーコンサートで絶讃され、一躍脚光を浴びる。以来、全国主要オーケストラに数多く出演し、安定した評価を得ている。自らが敬慶なキリスト教徒であることから、宗教音楽に造詣が深く、情熱的な音楽創りが評価されている。2000年にはJ.S.バッハ没後250年を記念し、東京オペラシティーで「マタイ受難曲」を指揮。「強固な信心に裏打ちされた演奏には胸を打つ何かがひびいてくる」と高い評価を受けた。1981年9月から1988年まで九州交響楽団常任指揮者。1985年8月から1989年まで神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者。1988年4月から1994年3月まで関西フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者。2001年9月から2003年3月まで山形交響楽団の常任指揮者を務めた。桐朋学園大学助教授。
ソプラノ 高橋 薫子
国立音楽大学卒業、同大学院修了。文化庁オペラ研修所第7期修了。田島好一氏に師事。1990年イタリア声楽コンコルソでシエナ大賞受賞。同年モーツァルト没後200年記念国際モーツァルト声楽コンクールでアンナ・ゴットリープ賞を受賞し、レオポルド・ハーガー指揮のウィーンフィルと共演。1990年藤原歌劇団公演「ドン・ジョバンニ」で本格的デビューを飾り注目を浴びる。1991年〜93年五島記念文化財団の奨学生としてミラノに留学。L.ロンディ、M.ミネット、A.ソレジーナ、G.ピザーニ諸氏に師事。帰国後「ルチア」「愛の妙薬」「イル・カンピエッロ」「魔笛」「ドン・ジョバンニ」「セビリアの理髪師」「ヘンゼルとグレーテル」「フィガロの結婚」「オロンテーア」「コシ・ファン・トゥッテ」「仮面舞踏会」などに出演。2001年、チョン・ミュンフン指揮「魔弾の射手」では、その澄みわたる美声と可憐な舞台姿で観客を魅了し絶賛を博する。コンサートの分野ではインバル指揮「マーラー交響曲第8番」、小澤征爾指揮フォーレ「レクイエム」、アルブレヒト指揮「ペール・ギュント」はじめ、「カルミナブラーナ」「第九」などで東響、日本フィルなどと共演。また各種ガラコンサートでも活躍し、リサイタルも各地で開催。第2回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。第23回ジロー・オペラ賞新人賞受賞。平成8年度村松賞受賞。第26回モービル音楽賞洋楽部門奨励賞受賞。平成13年度よんでん文化振興財団芸術文化奨励賞受賞。第4回ホテルオークラ音楽賞受賞。藤原歌劇団団員。
アルト 森山 京子
国立音楽大学卒業。ジョヴァンナ・ヴィーギ、アントニオ・ベルトラミの両氏に師事。1993年秋より、文化庁派遣芸術家在外研修員として1年間ミラノに留学。1985年、ニッカ・カルメンシータのオーディションで第1位となり、サンシャイン劇場にてカルメンを演ずる。藤原歌劇団には1988年「椿姫」でデビュー。新国立劇場には1998年藤原歌劇団共催公演「ナブッコ」でデビュー。主な出演作品に「ドン・カルロ」「カヴァレリア・ルスティカーナ」「ノルマ」「運命の力」「セヴィリヤの理髪師」「アンドレア・シェニエ」「イル・トロヴァトーレ」「東洋のイタリア女」「ルチア」「イル・カンピエッロ」「カプレーティ家とモンテッキ家」「エウゲニ・オネーギン」「マノン・レスコー」「ヘンゼルとグレーテル」「サロメ」などがある。また「グローリア・ミサ」「戴冠ミサ」「メサイア」などの宗教曲や、「第九」「大地の歌」のソロ、アグネス・バルツァ&ホセ・カレーラスの“スーパー・オペラ・ガラ・コンサートなど各種コンサート、NHK・FMで活躍。1994/95、95/96の2シーズンをドイツ、ライプツィヒ歌劇場と契約のほか、イタリアでのリサイタル、コンサート、またルーマニア国立劇場での「カルメン」のタイトルロールに出演するなど海外でも活躍。藤原歌劇団団員。
テノール 望月 哲也
東京芸術大学音楽学部卒業。同大学大学院音楽研究科修士課程(オペラ専攻)修了。二期会オペラスタジオ第43期マスタークラス修了。学部在学中に安宅賞、松田トシ賞を受賞し、同声会主催「卒業生演奏会」芸大定期「新卒業生紹介演奏会」に出演。大学院在学中にNTTドコモより奨学金を授与。二期会オペラスタジオ修了時には最優秀賞、川崎静子賞を受賞。第35回日伊声楽コンコルソ第3位入賞。第11回奏楽堂日本歌曲コンクール第2位入賞。第70回日本音楽コンクール(オペラアリア部門)第2位入賞。「魔笛」「ドンジョヴァンニ」「椿姫」「愛の妙薬」などのオペラ作品に出演。また近年は「サロメ」「ナクソス島のアリアドネ」「エジプトのヘレナ」等のR・シュトラウスを中心としたドイツオペラや「夕鶴」「泣いた赤鬼」等の邦人作品にも出演し、好評を博す。また、宗教曲、オラトリオの分野でも「マタイ受難曲」などのエヴァンゲリストや「メサイア」「レクイエム」等数多くの作品で著名な指揮者(W.サヴァリッシュ、G.ベルティーコ、H.J.ロッチュ、小澤征爾、若杉弘)と共演し、高い評価を得ている。鈴木寛一、アリゴ・ポーラの両氏に師事。二期会会員。フェリス女学院大学音楽学部専任講師。
バス 牧野 正人
国立音楽大学卒業、同大学院修了。荘智世恵、波多野靖祐、中山悌一、疋田生次郎の諸氏に師事。1984年、第3回日仏声楽コンクール第1位および審査員特別賞、第19回民音コンクール第3位。1985年第16回イタリア声楽コンコルソでシエナ大賞受賞。1988年〜89年ミラノ留学、M.カルボーネ、R.エリー、M.レアーレの諸氏に師事。在伊中パヴィア国際声楽コンクール第2位、エンナ市主催ネリア国際声楽コンクール第1位。1995年第23回ジロー・オペラ賞受賞。国立音楽大学オペラ「フィガロの結婚」でデビュー。1990年に藤原歌劇団で「道化師」のシルヴィオ、「ドン・ジョヴァンニ」のタイトルロールを歌い共に絶賛を博し新進バリトンとして注目を浴びる。以来「椿姫」「ラ・チェネレントラ」「セヴィリアの理髪師」「アイーダ」「ラ・ボエーム」「ルチア」「蝶々夫人」「アンドレア・シェニエ」「シモン・ボツカネグラ」「愛の妙薬」「ファウスト」「マクベス」などの作品に出演。また邦人作品「夕鶴」「袈裟と盛遠」などに出演し好評を博する。
そしてオラトリオ「天地創造」や「第九」のソロ、演奏会形式の「ペール・ギュント」「ニュールンベルクのマイスタージンガー」「カヴァレリア・ルスティカーナ」などで活躍。母校の国立音楽大学の音楽研究所に十数年所属し、イタリア初期バロックの歌唱法の研究と演奏に意欲的に取り組んでいる。藤原歌劇団団員。
管弦楽 フィルハーモニカ・トウキョウ
『ライヴ』を通じて作曲家、演奏家、指揮者そして聴衆、相互の関わりのなかで生まれる創造的な芸術“クラッシック音楽”を、もっと身近に聴衆とともに作り上げることを目的としたオーケストラ。私達は自由な発想と音楽を自分達で創り上げていくことが合奏の原点であり、室内楽演奏の延長線上にこそ“オーケストデが存在すると考え、これまで3年間に定期的な活動として室内楽演奏会「おもしろ音楽館」(テプコ銀座館)を開催。また宗教曲の演奏を主要な活動として取り組み、モーツァルトのレクイエムやヘンデルのメサイア、バッハのマタイ受難曲にヨハネ受難曲等の名作品のみならず、メンデルスゾーンの賛歌、エリア、シューマンのレクイエム、グノーのチェチーリアミサなど、あまりに演奏されない宗教曲を合唱団と共演する。昨年10月自主演奏会をサントリーホールにて開催。
ピアノ・オルガン 淵本 祐子
武蔵野音楽大学器楽学科卒業。同大学院音楽研究科修了。ピアノ及びピアノ伴奏法をヤン・ホラーク氏に、チェンバロをホラーク道子氏に師事。霧島国際音楽祭、プラハ・サマーアカデミーにて故ヤン・バネンカ氏に、ヤナーチェク音楽大学夏期講習にてイルジー・スコヴァイサ氏に師事。それぞれファイナルコンサート等に出演の他、スコヴァイサ氏の推薦によりヤナーチェクアカデミーとルハチョヴィツェ・ヤナーチェクフェスティバルにてリサイタルを開催。99年ヤナーチェク音楽大学留学。スコヴァイサ氏のもとでピアノと室内楽を学んだ。2001年東京、チェコ、ポーランド各地でリサイタル。ウクライナ・リヴィウフィルと共演。2003年第1回チェコ音楽コンクールペトル クリーチ2003 ピアノ部門第1位。